タンクを取り付けて着用するのがBCDです。BCDとは、buoyancy compensating deviceの頭文字で、浮力補正具の意味です。
BCのみで使う場合は、buoyancy compensatorの略となります。
役目としては浮力調整装置。タンクを装着するための用途ももちろん大切ですが、このベストの使命は水中でこそ如何なく発揮されます。
通常水面近くで浮力がある状態でも、深く潜るにつれて浮力が減ってゆきます。
つまり、深く潜れば
潜るほど、ドンドンドンドン沈んでしまうということ。これは潜れば潜るだけ、周りの圧力が高まり
水面ちかくではある程度は膨らんでいたBCDの空気もギュっとおしつぶされて自然とペチャンコになる
という現象が起きてるからです。
そういうときに威力を発揮するのがBCDであり、水中も深く、沈んで沈んでしょうがないときには、
BCDについてるボタンをプシュっと押して、空気を入れてやります。
こうやって見るとBCDは本当に優れもので水中での浮力調節も自由自在!思えるかもしれないですね。
ところが、この浮力調節は一筋縄ではいきません。特に初心者の頃は。
水中で浮きも沈みもしない浮力を「中性浮力」といいますが、これがスムースに維持できる出来ないで
ダイビングのうまいヘタが分かれるといってもいいほどです。
一旦中性浮力が取れたとしても、アッ魚だとドンドンそのまま下に深く潜っていってしまうと、
たちまち高圧に押しつぶされて浮力が落ちます。逆に上に向かって泳いでしまうと・・・そりゃ浮力があがりますので、
水面に向かって一直線。それに、一旦浮き気味になったと思ったら、そのスピードもあれよあれよという間に加速しますので、
自分では太刀打ちできなくなる時があります。まあ、最近はそんなことはなくなりましたが・・・
BCDはまさに魚のうきぶくろのような役割を果たしています。(自動でできたらなお良いのだが)